「海賊版の個人的なダウンロードは合法」とする著作権法改正案がスイスで可決

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みなさん、いかがお過ごしだったでしょうか。

どうも、れきをくん(@rekiwokun)です。

日本では著作権法の改正を重ね取り締まりの強化がされています。

それは西欧諸国も例外ではなく、スイスで著作権法が改正されました。

日本人としては少し理解し難い改正だったので、ご紹介したいと思います。

では、今回の講義を始めます。

著作権法改正の背景

米国を中心にして、世界でインターネット上での著作権保護を強化する動きが強まっています。

欧州連合(EU)議会も著作権指令改正案が承認されたことで、EU各国で著作権違反の取り締まり強化がされています。

しかし、スイスはEUに加盟していません

そこで、政治的にはEUと関係がありませんので、EUのルールに準拠しない独自の法律をもつことができます

その結果、スイスは規制の緩やかな著作権法を制定したことで、アメリカは2016年にスペシャル301条報告書で著作権保護に問題あるとしてスイスを監視対象に加えました

「スイスは海賊版サイトにとって非常に魅力的な場所である」と言われるほど、権利侵害者に対しての規制が緩く、多くの違法サイトの拠点となっていたからです。

つまり、スイスはアメリカの監視対象から外れたいために、著作権法の改正をしたわけです。

アメリカが問題にした点

スイスでは2017年に著作権法を改正しようとする動きがありましたが、それはアメリカからの反対で実現がされませんでした。

それではアメリカが問題にした点を見ながら、改正部分を確認していきましょう。

改正法が公開されていたのでリンクしておきます。

問題点① 違法ダウンロードは可能

2017年

前述したとおり、2017年の改正法案はアメリカからの反対で可決されませんでした。

では、なぜアメリカは反対したのでしょうか。

それはBitTorrentなど、いわゆる「ピア・ツー・ピア」などを利用して、個人が私用目的で海賊版をダウンロードすることは処罰対象から外していたからです。

2019年

2019年の改正法案でも、この点は修正されませんでした。

つまり、改正法では海賊版を配布する違法サイトから個人が私用目的でダウンロードすることは処罰の対象にならずに、今後も海賊版を入手し利用することが可能であるということです。

一方で、海賊版をダウンロードして利用することは合法ですが、アップロードすることは違法であるという点には注意が必要となってきます。

問題② 海賊版サイトのブロッキング

2017年

EU各国では海賊版サイトのブロッキングの実施が当たり前のようにされています。

しかし、スイスはEU非加盟国なのでブロッキングを行う義務がありません。

この点も指摘されたところです。

2019年

2019年に提出された改正法案の目玉となる「通信事業者(プロバイダー)対策」です。

通信インフラを提供している一般的なプロバイダーではなく、サーバー上にデータ保存ができるようにスペースを提供している「ホスティングプロバイダ」が対象となります。

スイスに拠点を置くホスティングプロバイダは、サーバーから海賊版コンテンツを完全に強制削除できるように改正がなされました。

法の執行力強化

海賊版コンテンツの強制削除が可能になったという点を鑑みると、アメリカの指摘が全て充足されているわけではないですが、一旦の法の執行力は強まるのではないでしょうか。

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日本での違法ダウンロード

2010年 – ダウンロード違法化

日本では2010年の「著作権法の一部を改正する法律」の施行によって、海賊版コンテンツであるとしりながらダウンロードすることは、私用目的であっても違法となりました。

これを「ダウンロード違法化」と呼ばれています。

2012年 – 違法ダウンロード刑事罰化

2010年の改正では刑事罰が存在していませんでしたが、2012年には有識者の反対を押し切る形で刑事罰化法案が可決されました。

この法案では主に以下の行為が刑罰化されました。

  • 違法ダウンロード
  • リッピング行為
  • アクセスコントロール技術を解除する機器の販売・配布

つまり、「複製」する技術の刑罰化といえます。

このときアノニマスの抗議活動がされました。

まとめ

日本では早くから違法とされていました。

そのときからよく言われていたのが「通信の秘密」の侵害です。

「インターネットは自由であるべき」、これが大原則です。

国家権力が無闇矢鱈に介入するべきではないと考えています。

ただ、その自由も「公共の福祉」に反しない程度あることは自明の理だと思います。

スイスは、この介入が過度に行われることを躊躇したのかもしれまん。

国よって考え方が変わるのは大変面白いと感じました。

今回の講義はこれで終わります。

では、またお会いしましょう!

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