【世界のネット事件】スマイリーキクチ中傷被害事件から学ぶフェイクニュースとデマ情報

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みなさん、いかがお過ごしだったでしょうか。

どうも、れきをくん(@rekiwokun)です。

みなさんは、ある1人のお笑い芸人が、「女子高生コンクリート詰め殺人事件」の犯人だとして長年に渡り誹謗中傷被害にあった事件をご存知でしょうか?

「女子校生コンクリート詰め殺人事件」とは、昭和の終わりに女子校生が拉致監禁され殺された凄惨な事件です。

この凄惨な殺人事件の真犯人であるとするネット上のデマ情報で、たった1人のお笑い芸人は複数人から誹謗中傷されながら長年にも渡る闘いが始まりました。

今回はこの事件を題材にして、フェイクニュースとデマ情報についてお伝えしたいと思います。

では、今回の講義を始めます。

事件の概要

事件の始まり

きっかけ① 実行犯の実名報道がされなかったから

事件の始まりは「2ちゃんねる」に掲載された1つのデマ情報でした。

「キクチが過去に殺人事件に関与している、あるいはその犯人の1人である」

このデマ情報で関与している殺人事件として列挙された事件の1つが「女子高生コンクリート詰め殺人事件」でした。

「女子高生コンクリート詰め殺人事件」は、世間を震撼させるほどの残虐性のある事件でしたが、実行犯が未成年ということで実名報道はされませんでした。

そのため、実行犯の人物像がベールに包まれていました。

きっかけ② ネット自警団の憶測

ネット上では「事件の実行犯を憎む者」「事件の実行犯に興味を持つ者」などが自警団的に実行犯の個人情報を特定しようと調べ、ネットの掲示板に掲載し、世間の人達と批判し、糾弾する活動をしていました。

また、実行犯がベールに包まれていたため、そのベールを剥がし、具体像を見たいという人の欲を垣間見ることができます。

その結果、「具体的な誰かを実行犯に仕立てあげたい者」「具体的な誰かを実行犯として見つけ出したい者」などが独断と偏見による推測でぜんぜん違うベクトルを向いた情報を掲示板に投稿することで、さらに悪化していくわけです。

きっかけ③ 特定された実行犯の3つの情報

ネット自警団が特定した実行犯の3つの情報が下記です。

  • 「足立区出身」
  • 「犯人グループと同世代で」
  • 「10代のときに非行に走っていた」

ネットユーザーが、この3つの情報とスマイリーキクチの情報を照らし合わせると符号するということで、「女子高生コンクリート詰め殺人事件」に関与していると疑いを強めました。

真っ向から否定するスマイリーキクチ

「殺人に関与していたことが事実であれば、既にどこかの週刊誌が嗅ぎ付けており、芸能界で活動できるはずがない」と、スマイリーキクチは事件への関与を真っ向から否定し続けます。

自著である「突然、僕は殺人犯にされた」で足立区民としてその実態を説明しつつ、殺人事件への関与を否定をしています。

「足立区民は元々地域内での結びつきが強く、他地域を頻繁に訪れることは少ないため、同じ区内でも地元以外の区域は全く知らない区民が多い」

「突然、僕は殺人犯にされた」

そして、下記のように実行犯の情報からも事件への関与を否定しています。

情報①「足立区出身」

「事件現場の地域(綾瀬)は自分の生まれ育った地域(千住)からかなり離れており、成人式の時に1度行ったきりで土地勘が全くない。」

スマイリーキクチはこのように回答をし、足立区出身であることは認めた上で、地域が違うことを補足し、土地勘がないことでやんわりと否定しています。

情報②「犯人グループと同世代で」

「1991年1月1日付けで東京都足立区民で成人を迎えた男子は6,334人で、足立区内の同世代なんてごまんといる」

このように足立区出身の自分と同年代の人はたくさんいるから、足立区出身の同年代というだけでスマイリーキクチと断定するのはおかしいと否定しています。

情報③「10代のときに非行に走っていた」

この情報から否定している記述は見つかりませんでした。

ただ、過去に出演をした番組で中学生時代にヤンキーをしていた頃の写真が公開されているので、非行に走っていたのは事実のようです。

1回目の警察への相談

マネージャーから知らされた当初は取り合うつもりすらなかったが、誹謗中傷の被害が悪化していく事態に困り果て、四谷警察署に被害届を提出することにしました。

四谷警察署は脅迫罪に該当するかもしれないと判断をしました。

それから警察による書き込みの捜査が開始され、ネット掲示板の管理者にログの開示をさせ、5つの誹謗中傷の書き込み元を特定しました。

ただ、この5つの書き込み元を特定したにも関わらず、1件も立件されることなく、捜査はそのまま打ち切りになりました。

1件も立件されなかった理由

1つ目

某国立大学のキャンパス内に設置がされているパソコンと判明。

パスワード入力が不要なタイプのパソコンであったため、部外者の人の書き込みの可能性もあったので、書き込みをした人を特定することができませんでした。

2つ目

海外の回線を経由することで、発信元が特定されないように工夫がされていたことが判明。この当時は誹謗中傷で国際刑事警察機構を動かすことができなったので、書き込した人を特定することはできませんでした。

3つ目~5つ目

残る3つについては個人情報を特定することには成功したが、スマイリーキクチとはまったく関係性のない人物であることが判明。

あまりにも関係性がなさすぎて、身元以外の証拠や犯行動機を証明が不可能であるとして、立件されることはありませんでした。

芸能活動への支障

この頃から誹謗中傷が原因で、芸能活動に多大な支障をきたすようになりました。

スマイリーキクチが事件へ関与していると信じている人たちから、「殺人犯をテレビに出させるな!」という抗議が殺到するようになります。

また、スマイリーキクチが舞台に立つと観客席でヒソヒソと噂話をする人たちも増えました。

これらが重なり、次第に業界関係者への心証が悪くなり、仕事の依頼や企画のお蔵入りなどの被害が多く発生するようになりました。

2回目の警察への相談

1回目の警察の相談から8年が経過したある日に、スマイリーキクチは再度警察に相談をすることを決意します。

警視庁ハイテク犯罪対策捜査センターと中野警察署生活安全課

しかし、ハイテク犯罪を対象にしているはずなのに、警察担当者の対応は酷いものでした。

「(スマイリーキクチさんを)本気で殺人事件の犯人だと思っている人はいない」

「削除依頼をして様子を見ましょう」

「様子を見ればネット誹謗中傷は落ち着く」

「(芸能人だから)有名税みたいなもの」

「(中傷コメントは)遊びだと思う」

「(キクチさんは)インターネットなんてやらなければいい」

「殺されそうになったとか、誰かが殺されたとかがないなら刑事事件にできない」

「殺されたら捜査しますよ」

警察官としての、ましてやハイテク犯罪専門の警察官としての職責を放棄しているかのような対応しかされませんでした。

弁護士との出会い

ある知人から1人の弁護士を紹介されます。

その弁護士に誹謗中傷をした人を特定したいと伝えます。

「中傷書き込みをした者を特定するために掲示板管理者から発信者のログを開示してもらい、接続業者が発信者の個人情報を開示する必要がある」

「掲示板管理者と接続業者が開示を拒否した場合は訴訟になるが、裁判所が開示命令を出すとは限らない」

その弁護士から誹謗中傷をした人を特定するには相当な根気と労力がかかることを伝えられますが、覚悟を決めます。

まず1番最初にすることとして、「身の潔白を証明していることを世間から注目される」ために著書でスマイリーキクチが犯人の1人だと誤解を招くような記述をした北芝健と出版先の河出書房新社を相手に訴えの提起をすることにしました。

運命的な出会い

スマイリーキクチが自身で運営をしていたブログのファンから1つのアドバスが届いた。

「ネットの誹謗中傷を刑事事件化したいのなら生活安全課ではなく刑事課に行き、刑事告訴したいと意思表示すべきである」

このアドバイスを参考に中野警察署の刑事課に行くことにしました。

そして、組織犯罪対策課の男性刑事を紹介され、自身に起きていることを包み隠さずに話し、相談をしました。

幸いにも、その男性刑事はネット犯罪にも精通していたので、スマイリーキクチの相談にも真摯に対応をしてくれ、これまでの警察の対応は誤りであったと謝罪までしてくれました。

担当刑事は所轄に連絡をし、「女子高生コンクリート詰め殺人事件」の事件資料を取り寄せます。

  • 実行犯の中に「きくち(菊池、菊地)」という名前がないこと
  • 実行犯の中に出所後に芸能界入りした人はいないこと

これらを確認することで、スマイリーキクチが「女子高生コンクリート詰め殺人事件」に一切関与していないことを証明しました。

この証明をもって、警察からのアドバイスでブログ上で、改めて「女子高生コンクリート詰め殺人事件」には一切関与していないと否定をしました。

このときに併せて、継続してコメント欄で誹謗中傷を行った者は刑事告訴することを警告しました。

しかし、それでも相変わらず執拗に誹謗中傷をする者がいたので、警察はネットの発信記録から書き込み元を特定し、逮捕をする方針に転換しました。

被疑者の逮捕

警察は、警告後もスマイリーキクチへの誹謗中傷を継続して書き込んでいた人の1人の身元を特定することに成功したので、中野警察署への任意同行を求めました。

この被疑者は警察の取り調べでは「二度としません」と反省をしたように見せて、帰ることができた3時間後には「殺人犯のくせに警察に密告するとはどこまで卑怯だ」と書き込み、実際はまったく反省していませんでした。

この後、警察は1200~1300人以上の身元を特定し、最終的には北から南まで日本全国に及ぶ計19人を逮捕することにしました。

警視庁の刑事が実際に各都道府県に赴き、逮捕しました。

逮捕された年齢層の大半は30代後半で、最年長が47歳、最年少が17歳と仕事でストレスが溜まったストレス解消法として誹謗中傷をしていたのかなと考えています。

フェイクニュースとデマ情報

スマイリーキクチ中傷被害事件の発端はネット上に流れたデマ情報からでした。

デマ情報とは、フェイクニュースとほぼ同義の言葉です。

では、フェイクニュースとはなんでしょうか。

フェイクニュースとは、情報のソース(根拠)が明らかでない嘘の情報のことをいいます。

多くの人が騙され、広まってしまう場合も多くあるので、選挙の結果や政局までもが変化することもあります。

ネット上では広まるデマ

メディアやブログ、掲示板、SNSでは本当ではないデマな偽情報が公開されています。

こういったデマ情報は非常に広がりやすいです。

例えば、それを見たユーザーが新しく公開する場合もありますが、友達や家族に伝える場合もあります。

人伝えに聞いた場合でも、それが嘘で騙されている場合もあります。

必ず真偽は確認する必要があります。

スマイリーキクチ中傷被害事件から見るフェイクニュース

ファクトチェック

スマイリーキクチ中傷被害事件の場合は1人の人が掲示板に投稿したデマ情報からでした。

それを見て信じた人がスマイリーキクチを糾弾し始めると、芋づる式にネット弁慶達でネット自警団を結成し、集団で糾弾し、誹謗中傷を始めました。

これはネット上の情報のファクトチェックをしなかったから生じた事件です。

ネット上の情報を容易に信じてはいけない典型パターンです。

既成事実化

どんなにデマ情報でも多数の人が真実だと思えば、真実として扱われる場合があります。

それが既成事実です。

実際にスマイリーキクチを実行犯として断定された根拠に3つの情報がありました。

スマイリーキクチ本人がどんなに否定をしても真実のように扱われました。

これも既成事実になっていたからです。

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フェイクニュースの見分け方 8ヶ条

1 情報源を確認

「古くから存在しているアドバイスは最良のアドバイスである」というのは、ネットでもまったく変わりません。

しかし、ネット上に転がっている情報は必ず情報源を確認してください。

この確認のことを「ファクトチェック」といいます。

ネット上で見つけた情報は必ず時間をかけて情報源を調べて欲しいと思います。

真実に裏付けがされた情報でしょうか?

情報源にも情報源が必ず存在します。

時間が許すならば、その情報源の情報源まで調べて欲しいと思います。

2 感情を揺さぶる情報はまず疑う

「目を引く」ような情報が拡散したくなるようなものです。

その情報は、この心理をうまく利用されているかもしれません。

Twitterのタグにあるような#拡散希望のような「拡散させたがる」ような書き方や、「不安を煽る」ような不安を煽る書き方などは冷静さを奪って情報をすぐ拡散させようとしているのかもしれません。

なぜ、こういった書き方をしているのかを調べたことはありますか?

根拠なくこのようなこと書き方をしているのかを必ず調べましょう。

3 付随情報を確認

SNSや掲示板などで得た情報は、必ず他の媒体ではどのように報じられているのかを確認しましょう。

次に投稿時期についても調べてみましょう。

古い投稿はその時点の情報が反映されている場合が多いので、真偽を確かめる1つの指標となるので客観的に見ることができます。

まとめ

今回の記事では今でも取り上げられることが多い、「スマイリーキクチ中傷被害事件」でした。

これは1人の人に対して、複数人で誹謗中傷した人が逮捕された初めての事例です。

この事件はフェイクニュースの怖さを伝えるとともに、誹謗中傷をした人の末路を知るにはちょうどいい事例でした。

人の話は簡単に鵜呑みにせずに、必ずファクトチェクをしてください。

簡単に信じてはいけません。

デマ情報を信じて拡散するごとによって1人の人生が終わることもあるので、本当にファクトチェックを忘れずにして欲しいと思います。

今回の講義はこれで終わります。

では、またお会いしましょう!

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