【世界のネット事件】韓国社会を震撼させたデジタル性犯罪「n番部屋事件」、その事件を詳細にわかりやすく

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みなさん、いかがお過ごしだったでしょうか。

どうも、れきをくん(@rekiwokun)です。

10月14日、韓国の最高裁判所で確定判決が出ました。

デジタル性犯罪「n番ルーム事件」で「博士ルーム」を運営していたチョ・ジョビン被告人に対し、懲役42年の実刑判決を宣告し、確定しました。

日本ではあまり報道がされませんでしたが、韓国社会を震撼させるほどの大きなデジタル性犯罪事件です。

事件の残忍さは日本の女子高生コンクリート事件を彷彿させるほどです。

認定された犯罪は下記でした。

  • 児童・青少年の性保護に関すること
  • 淫乱物を製作し配布及び犯罪団体を組織したことに関すること

懲役以外にも下記の内容が同時に課されています。

  • 身元公開、児童・青少年関連機関や障害者の福祉施設での就業制限(10年間)
  • 位置追跡のための電子足輪を付着すること(出所後30年間)
  • 追徴金(約1億ウォン(約980万円))

事件の内容を鑑みると、これでも大変軽い犯罪だったように思います。

被害者や被害者遺族の感情を考えると、もっと重くして欲しい気持ちです。

今回の記事では、同じようなデジタル性犯罪が起こらないようにという気持ちを込めながら、事件の概要を振り返りたいと思います。

では、今回の講義を始めます。

事件の概要

「n番部屋」事件とは

「n番部屋」事件とは、2018年12月~2020年3月にかけて起きた韓国の大規模なデジタル性犯罪・性搾取事件です。

秘匿性の高いTelegram(テレグラム)を利用して、若い女性(主に女子中高生)を中心に脅迫し、撮影させたわいせつな画像を流布し、26万に及ぶ有料会員がよってたかって画像を閲覧し、指示するというおぞましいことをしていました。

主に使われたアプリが秘匿性の高いテレグラムであったために、捜査も難航を極め、非常に解決に時間がかかりました。

被害者数も、被害者の特定を防止するために正確な人数は発表されていませんが、警察発表では60人~70人ほどだとされています。

「n番部屋」ではない?

ただ、このおぞましいことは俗にいわれている「n番部屋」で行われたわけではありません。

「n番部屋」というのは、複数のチャットルームにそれぞれ「1番部屋」「2番部屋」と呼ばれていたことから呼ばれ始めました。

しかし、この「n番部屋」は創設者から他人に譲られ、消失していました。

そこで新しく作られた「博士部屋」が事件の主な舞台となります。

では、時系列を追ってみていきましょう。

2019年1月

ソウル新聞の潜入取材で、テレグラムの秘密ルームで「児童ポルノ」が複数人に共有されている実態を把握しました。

この時点ではまだ「n番部屋」ではなく、ただの秘密ルームです。

2019年2月

テレグラムに個人情報と児童ポルノをアップし、共有するチャットルームがある事実を複数のコミュニティに知られました。

これによって創設者「ガッガッ」は行動に移します。

「n番部屋」の誕生

ただの秘密ルームだったものを8つに増やします。

そうです。このタイミングで「n番部屋」が誕生します。

「1番部屋」~「8番部屋」までのチャットルームを作ります。

これを俗に「n番部屋」といいます。

それをすぐに「ケリー」という人物にまるまる譲渡します。

2019年4月

時事ジャーナルが、テレグラムが不法撮影物共有用犯罪のプラットフォームとなっていると報道します。

2019年7月

匿名の大学生2人で構成される「追跡団花火」が、「n番部屋」事件を通報します。

ここで初めて警察に通報されます。

博士

博士とは後に「博士部屋」を創設する創設者です。

2019年7月から流星のごとく現れました。

上手に女性を手懐け、個人情報を把握し、抵抗したら把握した個人情報を利用して脅迫し、わいせつな写真と映像を撮影させ、掲載させました。

2019年8月12日

電子新聞がマスコミの中で初めて「n番部屋事件」を報道します。

2019年9月

7月に通報した「追跡団花火」が、第1回探査・深層・ルポ取材物の公募受賞と報道・資料提供をします。

これによって、江原地方警察庁が捜査を開始します。

「n番部屋」の消失

「n番部屋」が消失しことで、代わりに新しく他のルームが誕生します。

「n番部屋」の模倣犯罪といえるような部屋が無数に生まれます。

「博士部屋」の誕生

無数に誕生した部屋で最も有名な「博士部屋」が誕生します。

そうです。2019年7月に流星のように誕生した「博士」が創設した部屋です。

「博士部屋」は、児童ポルノをテレグラムのチャットルームで流布し、そのルームへの入場料は仮想通貨決済という悪魔のようなビジネスモデルを構築したために、有名となりました。

2019年11月

ハンギョレが企画報道をしたことで、韓国社会に「n番部屋事件」が知れ渡ることになりました。

2020年2月9日

ここから事態は急変していきます。

n番部屋から派生したテレグラムのチャットルーム運営者と共犯者合わせて16人を検挙します。

そして、このチャットルームで流布した児童ポルノの映像をダウンロードして二次流布した嫌疑で、流通・所持した者の50人を検挙しました。

“テレグラム追跡技術的捜査支援TF(タスクフォース)”を結成

66人の一斉検挙をした警察庁は、警察庁長官傘下のサイバーテロ捜査隊に特別捜査隊の結成をすることを発表しました。

この捜査隊は「n番部屋」や「博士部屋」を中心に捜査するのですが、その他にもダークウェブサイトや児童ポルノサイトなどデジタル性犯罪が流通しうるサイバー犯罪の温床を集中的に取り締まります。

2020年3月7日

「博士」と共犯者の14人が一斉検挙されます。

検挙した直後は「博士」であることを否認し、自害するとまで言っていたのですが、結局最後は「博士」であることを認め、逮捕に至ります。

共犯者の中に区役所や役場で勤務する公務員も存在しており、その公務員に被害者の個人情報を調べさせ、それを流通していたそうです。

2020年3月20日

「n番部屋」と「博士部屋」を合わせると、テレグラムでのデジタル性犯罪者である制作・流布・所持していた被疑者124人の大規模検挙にいたります。

デジタル性犯罪を防止するために

韓国で大規模検挙がされた後に、同じようなデジタル性犯罪が起きないように、専門家らが提言した対策があります。

① 政府の積極的な国際協力捜査協力の要請

実際にテレグラムでは韓国だけでなく、他の国の児童ポルノ写真も流布されていたと報道がされていました。

その点からも、国際的な協力が必要であることは明白だと思います。

② デジタル性犯罪の専門部署の新設

デジタルには専門的な知識が必要であるので、専門的な部署が必要であることは明白です。

「n番部屋事件」を内偵していたのは、大学生の女性だということでした。

年齢や性別に関係なく専門的な知識のある人が捜査にあたるべきだと考えます。

③ 量刑基準の強化および不法収益還収のための強力な制度づくり

「n番部屋事件」の博士には懲役42年でした。

量刑としては非常に軽いように思います。

被害者の人権を蹂躙し、人生をも潰す卑劣な犯罪を犯している犯人は、もっと重い懲役でもいいと思います。

④ プラットホームに対する処罰

抜本的な解決を図るために、プラットフォームそのものにもメスを入れ、対策をしていく必要性があります。

そのためにプラットフォームのサーバーも調査していけるように法改正が必要です。

⑤ “デジタル集団性暴力”、”性搾取”などの新たな概念や罪名の導入が必要

現在の法整備であれば、強制性交や強制わいせつ、未成年者への画像の要求や製造などの限定的な性犯罪にしか対処ができません。

デジタルでの性犯罪は多種多様で、年に一定期間しか開催されない国会・議会では対処しきれません。

そこで、デジタル集団性暴力などのデジタル社会に沿った新しい概念を導入することで、対処ができるようにするべきです。

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まとめ

日本では個人対個人でわいせつ写真を送付させるなどの事件が目立ちます。

しかし、海を超えたお隣の韓国では、ここまで大規模なおぞましいデジタル性犯罪が存在していたのが驚きです。

実際には被害後に自殺した被害者もいたほどだそうです。

この「n番部屋事件」をきっかけにして、韓国では性交同意年齢も改正がされたそうです。

本当に時代の進歩に法が追いついていないと感じました。

今回の講義はこれで終わります。

では、またお会いしましょう!

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