「侮辱罪」の厳罰化の改正刑法が成立!響子さんの悲願が実りました!

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みなさん、いかがお過ごしだったでしょうか。

どうも、れきをくん(@rekiwokun)です。

あの痛ましい事件から2年の月日が経過しました。

Twitterでの誹謗中傷が原因で亡くなられた木村花さんを覚えているでしょうか?

母の響子さんは、娘の木村花さんのSNSに対して、誹謗中傷を送っていた投稿者への刑罰が科料9000円だったことに「理不尽だ!」と厳罰化を求める署名を集める活動を開始しました。

その活動の功が奏し、念願の侮辱罪の改正がされました。

今回の記事では、この侮辱罪の改正についてお伝えしていきたいと思います。

では、今回の講義を始めます。

捜査から起訴までの流れ

木村花さんが自殺してから誹謗中傷の投稿をした人が起訴されるまでの流れを文春オンラインさんが公開していますので、そちらを参考にして改正までの流れをみていきたいと思います。

警視庁捜査一課が動く

「テラスハウス」は海外でも人気の番組だったため、木村さん急逝のニュースは瞬く間に世界を駆け巡った。SNS上では「ネットいじめ」を非難する投稿が拡散。政府や与野党がすぐに誹謗中傷対策に乗り出すほどの社会的ムーブメントに発展した。そんな中、「いずれ刑事事件になる」と想定して密かに動き出したのが警視庁捜査一課だった。

木村花さん侮辱罪で2名立件も「科料9千円どまり」 警視庁ハイテク係がぶつかった“意外な壁” | 文春オンライン

原則として誹謗中傷が該当する構成要件である名誉毀損罪・侮辱罪は共に親告罪であるため、告訴がないと捜査を開始することができません。

しかし、警視庁捜査一課は告訴がない状態で捜査を開始しました。

というのも、木村花さんの死が報道されると、誹謗中傷を投稿した投稿者が「まずい」と察して証拠隠滅に投稿を削除し始めました。

誹謗中傷を立証するためには「投稿をした」という確実な証拠が必要になるにも関わらず、誹謗中傷の投稿を削除されると全く証拠が出てこなくなります。

これを危惧した警視庁捜査一課は、刑事事件になると想定して証拠が消える前に捜査を開始する決定をしました。

1つ目の高い壁

しかし、ここで“1つ目の壁”に阻まれることになる。捜査一課は名誉毀損罪(3年以下の懲役など)での立件を考えていたが、条件を満たす書き込みが見つからなかったのだ。

木村花さん侮辱罪で2名立件も「科料9千円どまり」 警視庁ハイテク係がぶつかった“意外な壁” | 文春オンライン

捜査を始めると、誹謗中傷に該当すると判断した投稿は、アカウントは約200アカウントで約300件もありました。

しかし、警視庁捜査一課の思惑とは裏腹に、懲役のある名誉毀損罪に該当するような投稿は見当たりませんでした。

(名誉毀き損)
第二百三十条 公然と事実を摘示し人の名誉を毀き損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

刑法 | e-Gov法令検索

というのも、名誉毀損罪を適用するには「公然と事実を摘示した」ことが必要となります。

例えば、「Aさんは覚醒剤をやっている」「BさんはAさんにセクハラをした」「Cさんは過去に●●事件を起こした真犯人だ」などと具体的な事実をあげていることです。

(侮辱)
第二百三十一条 事実を摘示しなくても公然と人を侮辱した者は、拘留若しくは科料に処する。

刑法 | e-Gov法令検索

一方で、「Aさんはバカだ!」「Bさんはブスだ!」「Cさんは気持ち悪い!」といった抽象的なものだと具体性がなく「事実の摘示」には該当しません。

こういった場合は侮辱となります。

木村花さんへ投稿された内容は、「気持ち悪い」「死ね」などの抽象的なものばかりで「事実の摘示」に該当するものがなく名誉毀損罪では起訴をすることができませんでした。

2つ目の高い壁

匿名の書き込みをどこの誰がしたのか特定するため、米ツイッター社に投稿者の情報を開示するよう問い合わせたものの、応じてもらえなかったのだ。

木村花さん侮辱罪で2名立件も「科料9千円どまり」 警視庁ハイテク係がぶつかった“意外な壁” | 文春オンライン

投稿の確認はした。しかし、誰が投稿をしているのか分かりません。

投稿者の特定をしなければ、検察官送致をすることはできません。

そこで、警視庁捜査一課はアメリカのツイッター社に情報の開示請求をしました。

しかし、アメリカには名誉毀損罪はあっても侮辱罪は存在しません。

侮辱罪の概念を理解してもらえずに、「微罪」と断じて、情報開示請求はされませんでした。

アメリカは警察からの要請でも応じないことがあるそうです

自首

木村さんが亡くなってから7カ月近くたった2020年12月17日、捜査一課は「性格悪いし、生きてる価値あるのかね」「ねえねえ。いつ死ぬの?」と書き込んだ大阪府の20代男を書類送検した。

木村花さん侮辱罪で2名立件も「科料9千円どまり」 警視庁ハイテク係がぶつかった“意外な壁” | 文春オンライン

アメリカのツイッター社が情報開示請求に応じてくれなかったので、気になる投稿をしていた人の身元すら割ることができませんでした。

月日がばかりが過ぎていく中で、犯人が自首してきました。

被害者遺族は許していたが、話し合いの末に、「誹謗中傷のない世界を目指したい」という遺族の意向を全うするために告訴するに至ったそうです。

司法の壁

(侮辱)
第二百三十一条 事実を摘示しなくても公然と人を侮辱した者は、拘留若しくは科料に処する。

刑法 | e-Gov法令検索

名誉毀損罪では起訴ができなかったので、侮辱罪での起訴になりました。

刑法の中で最も罪の軽い侮辱罪なので、起訴をしてもたったの9000円の科料。

時効はたったの1年間。

木村花さんを自殺に追い込んだ憎き犯人たちの大半は逃げ得となったわけです。

立ち上がった母・響子さん

木村花さんへの誹謗中傷で起訴された被告人への判決は、たったの9000円の科料でした。

実刑判決とはなりますが、それでも1万円未満の科料です。

この判決は「理不尽だ!」と思い、母・響子さんは立ち上がり署名活動をしてきました。

政府も動き始め法制審議会として侮辱罪に関する部会を開き、論点整理を行いながら、徹底的に審議をし、改正法案を作りました。

「表現の自由の侵害に繋がる」と野党や日弁連からの反対を受けながら、2年もの長い年月をかけて悲願の侮辱罪の厳罰化法案が成立しました。

ただし、「表現の自由」が不当に制約されていないかの検証をすることを附則に明記しての成立である点も重要です。

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まとめ

母の響子さんは、侮辱罪の構成要件が非常に軽いことに疑問を持ちます。

言葉という鋭い凶器で傷付けられた人がいても時効は1年間でした。

本当に響子さんの活動が実って安心しました。

今回の講義はこれで終わります。

では、またお会いしましょう!

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