消費者庁が動いたステルスマーケティング広告の規制について

この記事は約9分で読めます。
記事内に広告が含まれています。

みなさん、いかがお過ごしだったでしょうか。

どうも、れきをくん(@rekiwokun)です。

昨年、大きな問題となったペニーオークション事件で有名になった販促手法である「ステルスマーケティング」あります。

多数の詐欺被害にあった人がいたということで、とうとう消費者庁が法整備に動く決断をしました。

今回の記事では、この新しい法規制がどのように変更されるのかをお伝えしていきたいと思います。

では、今回の講義を始めます。

そもそも「ステマ」とは?

そもそも「ステマ」とはなんでしょうか。

これは日常的な言葉ではありませんが、「ステルスマーケティング」の略です。

では、ステルスマーケティングとはなんでしょうか。

ステルスマーケティングとは、消費者に広告であることを伝えずに、隠した状態で宣伝行為をすることをいいます。

例えば、「わたし~この化粧品を使ってめちゃくちゃ白くなったよ~♡♡♡」のように使ってもいないのにさも使ったように言わせるサクラが代表的です。

ちょっと驚きなのが、事業者自身が第三者のフリをしてステルスマーケティングをする「なりすまし型」が存在することです。

事業者自身でやっているのは本当にタチが悪いですよね。

しかし、このステルスマーケティングは悪質性が高く、消費者に発覚すると企業の信頼を損ねる恐れが大きいことを理由に、各広告業界が自主規制をすることで防止をしてきました

しかし、現代は誰もがSNSを利用できる時代に突入してきました。

実際に、消費者庁のステルスマーケティングに関する検討会報告書でもSNSの利用者数は右肩上がりに推移していると報告がされています。

ステルスマーケティングに関する検討会報告書

どれだけ広告業界で自主規制をしても右肩上がりに推移するSNS時代では、中立的な立場である体裁を取りつつも、実際は報酬を得てステルスマーケティングをしている実態がありました。

この宣伝の報酬があることを秘匿することを「利益提供秘匿型」といいます。

そこで、消費者庁が法整備に乗り出す決心をしました。

ペニオク詐欺事件

ステルスマーケティングといわれて記憶に新しいのが「ペニオク詐欺事件」ではないでしょうか。

このペニオク詐欺事件は非常に手口が巧妙でした。

芸能人に依頼

ワールドオークションを運営していた会社の役員が、複数の芸能人にステマ投稿をブログでするように依頼します。

複数の芸能人が投稿をしたのを確認して、自社のサイトで「なんと!商品を買っている芸能人も多数!」というキャッチコピーで宣伝をしていきます。

つまり、まったく購入した実績のない芸能人があたかも購入したかのようにみえるように宣伝している悪質なやらせ工作なわけです。

紹介料が芸能人に

実際の芸能人のブログ記事には、業者から提供された高額商品を持っている写真や、オークションで定額で落札している写真を掲載しつつ、格安で商品が入手できたという文言で投稿されていました。

そして、ここにどの芸能人からの流入かが分かるように、アフィリエイトリンクと同様のURL付きのサイト名で投稿していたわけです。

このリンク経由で流入があったときは、紹介料として高額商品以外に5万~40万程度の金銭が業者から芸能人に支払われていたそうです。

スポンサーリンク

ステルスマーケティングと景品表示法

(目的)
第一条 この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とする。

不当景品類及び不当表示防止法 | e-Gov法令検索

景品表示法の第1条には、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為を制限すると書かれています。

この「一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為」には、表示と実際が異なっていることも含まれます。

というのも、一般消費者は表示全体から抱く印象と認識で選択をしていくにも関わらず、実際のもの乖離があれば、それは誤認に繋がります。

これは広告であるにも関わらず、広告でないとして隠す行為も当然に誤認を招くことに繋がるので、「一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為」に該当する行為とし、目的条項に違反するように法改正をする必要があるとして検討を開始されました。

誤認とは?

ステルスマーケティングに関する検討会報告書

では、実際に「誤認」とはなんでしょうか。

誤認とは、一般消費者が表示全体か抱く印象・認識と実際のものに乖離があることを指します。

「およそ広告であって自己の商品等について大なり小なり賛辞を語らないものはほとんどなく、広告にある程度の誇張・誇大が含まれることはやむを得ないと社会一般に受け止められていて、一般消費者の側も商品選択の上でそのことを考慮に入れている」との経験則が示されているが、一般消費者は、広告であることが分からないと、中立的な第三者による表示であるとして「広告にある程度の誇張・誇大が含まれること」を考慮に入れない、すなわち、広告であることが分か
っていれば抱く警戒心を何ら抱かなくなることになるということが経験則としていえる

「著しく」の解釈を示した判決(更生会社株式会社カンキョー管財人大澤誠による審決取消請求事件)

この判決からも分かるとおり、広告であることを隠す行為は、事業者の販促表示であるにも関わらず、一般消費者からは事業者の販促表示ではないと誤認を生じさせることになっています。

これは、「一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為」にも繋がることが分かります。

景品表示法第5条第3号の告示に新たに指定

2022年12月27日に開催がされた第8回ステルスマーケティングに関する検討会で決定した報告書では、景品表示表第5条3号の告示に新たに指定することが妥当だとされました。

まずは現在のステルスマーケティングに迅速に対応することが消費者にとっては
一番重要であり、その意味では時間が掛かる立法よりも3号告示への追加が妥当
である。

現在問題になっているステルスマーケティングに対応することが消費者にとって急務であり、迅速に対応するには立法するより3号公示への追加が妥当だとされました。

また、諸外国でのステルスマーケティング規制では、消費者から見て誤認惹起的であるかを要件されており、これを日本の景品表示法で考えるなら、一般消費者に誤認されるおそれがある表示を規制する3号公示が妥当されました。

(不当な表示の禁止)
第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
 一 (略)
 二 (略)
 三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの

不当景品類及び不当表示防止法 | e-Gov法令検索

この第5条3号に該当するための要件は、3つです。

  • 商品又は役務の取引に関する事項についての表示であること
  • 一般消費者に誤認されるおそれがある表示であること
  • 不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められること

現在、この要件に該当するとして指定公示されているのは6つあります。

告示名規制の対象となる表示規制の概要
無果汁の清涼飲料水等についての表示原材料に果汁や果肉が使用されていない容器又は包装入りの清涼飲料水等の表示果汁・果肉が含まれていない場合に「無果汁」等と表示しなければ不当表示となる。
商品の原産国に関する不当な表示国内又は国外で生産された商品の表示一般消費者が商品の原産国を判別することが困難な場合に、当該商品の原産国を明らかにするための表示をしなければ不当表示となる。
消費者信用の融資費用に関する不当な表示消費者信用を行う事業者の融資費用の表示融資費用について、利息等の費用も含めた実質年率が明瞭に記載されていない場合に不当表示となる。
不動産のおとり広告に関する不当な表示不動産(土地及び建物)の取引に関する表示不動産について、実際に取引ができない商品などを掲載して一般消費者がこれを取引できると誤認するおそれがある表示を行う場合は不当表示となる。
おとり広告に関する表示全ての商品・役務に関する表示(不動産は除く)実際に取引ができない商品などを掲載して一般消費者がこれを取引できると誤認するおそれがある表示を行う場合は不当表示となる。
有料老人ホームに関する不当な表示有料老人ホームの取引に関する表示有料老人ホームの取引に関する表示について、制限があるものについて明瞭に記載しない場合に不当表示となる。

新しい指定公示の内容

事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの。

検討会で整理がされた公示案では、広告を「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行なう表示」と表現し、広告であることを隠すことを「一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」と表現されています。

運用基準の方向性

上記の新たに追加される指定公示案の運用基準の方向性を確認しておきたいと思います。

「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行なう表示」

これは事業者が自ら行なう表示はもちろんのこと、事業者が「表示内容の決定に関与した」場合も含まれるとされています。

これに伴って、事業者が第三者をして行わせる表示も当然い含まれます。

「一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」

これは、2つのパターンに分けられることになりました。

「当該表示が記載されていない場合」と「当該表示が不明瞭な方法で記載されている場合」です。

「当該表示が記載されていない場合」

事業者の表示がまったく記載されていない場合や、アフィリエイトプログラムであることを記載していない場合が該当します。

「当該表示が不明瞭な方法で記載されている場合」

事業者の表示であることを部分的にしか表示しない場合や、「広告」と記載しているにも関わらず、文中に「これは第三者として感想を記載しています」と事業者の表示であることを分かりにくくし、一般消費者が事業者の表示であることを認識できない場合が該当します。

まとめ

以上のステルスマーケティングに関する報告書が提出されて、改正していく見込みです。

今後も検討を重ね、改善をしていくということです。

アフィリエイトを実施する側としては注視して行きたい内容となります。

今回の講義はこれで終わります。

では、またお会いしましょう!

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました