リベンジポルノを禁固刑の対象にしたイギリスから見るリベンジポルノ被害防止法

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    みなさん、いかがお過ごしだったでしょうか。

    どうも、れきをくん(@rekiwokun)です。

    イギリスではオンライン空間の安全を保つためにオンライン安全法案を可決させる予定です。

    この法案は有害なコンテンツから児童を保護する一方で、成人には閲覧ができるコンテンツの選択肢を増やす目的があります。

    そして、さらにこの法案には「リベンジポルノ」行為を行った者に対する規定も含まれることになりました。

    今回はリベンジポルノについてお伝えしたいと思います。

    では、今回の講義を始めます。

    オンライン安全法とは

    イギリスでは、2本柱で構成されたオンライン空間の安全を確保するための法案であるオンライン安全法案を提出しました。

    2つの柱について具体的に見てみましょう。

    1本目 有害なコンテンツから児童を保護する

    児童の保護は、違法コンテンツの削除やそもそもが表示されない仕組み作りをSNSの運営に求める内容がメインとなります。

    その一方で、児童に有害となるコンテンツが掲載されているものについては、年齢制限や年齢確認の実施を求めるように仕組みを導入することにしました。

    2本目 成人は閲覧ができるコンテンツを増やす

    成人には3段階を通じてコンテンツの取捨選択ができるようします。

    1. 違法コンテンツの削除
    2. ユーザー登録時の成約事項の履行
    3. 閲覧を希望しないコンテンツの除外

    罰則

    企業がこの2つの柱を守らない場合は、最高1,800万ポンド(約32億9,400万円、1ポンド=約183円)もしくは全世界の年間売上高の10%のいずれか大きい方の罰金が科される可能性があります。

    全世界の年間売上高の10%・・・GAFAの場合はどの程度の金額になるのか知りたいですね。

    規制対象

    オンライン安全法案で規制対象となるコンテンツは下記のとおりです。

    • 児童の性的虐待
    • 過激な性的暴力
    • 不法移民や人身取引
    • 自殺の助長
    • 自傷行為の助長
    • 摂食障害の助長
    • 動物虐待
    • 違法薬物や武器の販売
    • テロリズム

    そして、この法案が成立することでサイバーフラッシングとディープフェイクポルノの共有も犯罪行為となります。

    サイバーフラッシングとディープフェイクポルノ

    サイバーフラッシングとは、オンライン上で未承諾の性的画像を送信する行為を指します。

    簡単にいうと、オンライン上での露出ということができます。

    よくチャットアプリなどを利用していると、男性が勝手に陰部の写真を送りつけてくることがありますが、まさしくあの行為がサイバーフラッシングです。

    そして、ディープフェイクポルノとは、本人の同意なく、特定の人物に似るように編集されたポルノを指します。

    簡単にいうと、昔からよくあるアイコラがまさしくディープフェイクポルノです。

    AV女優とお気に入りの女性タレントを合成して、あたかもAV出演をしているように見せる動画なども流通しています。

    一昔前と違って、近年では技術の進歩で一見すると本物かと思うレベルで見分けがつきません。

    実際に、2020年にはAV女優と女性タレントの顔をすり替えた動画をインターネットにアップロードしたとして、名誉毀損と著作権法違反で2人の男性が逮捕されました。

    アンライン安全法案から見るリベンジポルノ

    オンライン安全法案は基本的には企業側に求められたもので構成されていますが、一部は私人を対象にした規制もあります。

    それが前述したサイバーフラッシングとディープフェイクポルノです。

    他にはリベンジポルノに関しても規制がされていますので、具体的にどういった規制がされているのかお伝えしていきたいと思います。

    6ヶ月の禁固刑

    イギリスでは2015年からリベンジポルノは犯罪行為とされてきましたが、今回の法案で具体的な刑罰を課すことができるようになりました。

    最長で2年まで延長できる

    相手に苦痛や不安や屈辱を与える加害意思があった場合や自らの性的欲求を満たす意思があったと立証されれば、刑期を最長で2年まで伸ばすことができます。

    リベンジポルノは別れた内容に納得がいかずに、相手に仕返しするつもりで行われることが多いです。

    こういった場合は、加害意思があったと言えるので立証ができれば刑期が伸ばされる可能性があると考えることができます。

    性犯罪者リストへの掲載

    自らの性的欲求を満たす意思でリベンジポルノ行為を行った者は悪質だとして、性犯罪者リストに登録がされる場合もあります。

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    日本でのリベンジポルノ対策

    日本では2014年から「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」という、所謂、リベンジポルノ被害防止法によって規制がされています。

    前年におきた三鷹ストーカー殺人事件をきっかけにリベンジポルノに関する法律を制定する動きが始まり、2014年11月に国会で成立しました。

    1人の女子高生の無惨で非情な死を契機に成立したリベンジポルノ防止法の概要をお伝えします。

    私事性的画像記録とは?

    (定義)
    第二条 この法律において「私事性的画像記録」とは、次の各号のいずれかに掲げる人の姿態が撮影された画像(撮影の対象とされた者(以下「撮影対象者」という。)において、撮影をした者、撮影対象者及び撮影対象者から提供を受けた者以外の者(次条第一項において「第三者」という。)が閲覧することを認識した上で、任意に撮影を承諾し又は撮影をしたものを除く。次項において同じ。)に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。同項において同じ。)その他の記録をいう。
     一 性交又は性交類似行為に係る人の姿態
     二 他人が人の性器等(性器、肛こう門又は乳首をいう。以下この号及び次号において同じ。)を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
     三 衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
    2 この法律において「私事性的画像記録物」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、前項各号のいずれかに掲げる人の姿態が撮影された画像を記録したものをいう。

    私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律 | e-Gov法令検索

    リベンジポルノ被害防止法の2条に定義条項があります。

    私事性的画像記録とは、以下の3点に該当する撮影対象者の画像に係る電磁的記録その他の記録のことです。

    • 性交又は性交類似行為に係る人の姿態
    • 他人が人の性器等を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
    • 衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

    ただ全ての画像が該当するわけではありません。

    括弧書きには、「撮影の対象とされた者において、撮影をした者、撮影対象者及び撮影対象者から提供を受けた者以外の者が閲覧することを認識した上で、任意に撮影を承諾し又は撮影をしたものを除く。」とあるので、まったく無関係の第三者が閲覧することを①認識した上で、②承諾して撮影したものはリベンジポルノ被害防止法には該当しないということです。

    この括弧書きに該当するものでいえば、アダルトビデオやグラビア画像をいいます。

    この私事性的画像記録を記録した有体物を私事性的画像記録物といいます。

    有体物に該当するのは、CD-ROMやUSBメモリなどの記録媒体です。

    罰則

    (私事性的画像記録提供等)
    第三条 第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定又は多数の者に提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
    2 前項の方法で、私事性的画像記録物を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者も、同項と同様とする。
    3 前二項の行為をさせる目的で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を提供し、又は私事性的画像記録物を提供した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
    4 前三項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
    5 第一項から第三項までの罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三条の例に従う。

    私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律 | e-Gov法令検索

    リベンジポルノ被害防止法には3つの罰則が規定されています。

    以下、順番にみていきましょう。

    私事性的画像記録の公表罪

    3条1項に規定されている罰則です。

    具体的には、私事性的画像記録を第三者が撮影対象者を特定することができる方法で不特定または多数の者に提供した場合が該当するので、第三者が撮影対象者を特定することができない方法をとった場合は該当しません。

    私事性的画像記録物の公表罪

    3条2項に規定されている罰則です。

    中身は1項と変わりませんが、私事性的画像記録が私事性的画像記録物と変わります。

    公表目的提供罪

    3条3項に規定されている罰則です。

    前2項の行為、つまり公表させる目的で私事性的画像記録、記録物を提供した者を罰する規定です。

    被害に遭わないためにできること

    被害に遭わないためには、右の3つの心得を老若男女問わずに強くもって対応しましょう。

    Q
    「裸の写真撮ってもいい?」、「エッチな画像送って」と言われたら・・・
    A

    「だめ」、「嫌だ」といってきっぱりと断る!

    Q
    「お前の裸の画像を持っている」、「ネットにバラまかれたくなければ言うことを聞け!と脅されたら・・・
    A

    すぐに警察等に相談!

    Q
    ネット上に画像を掲載されたら・・・
    A

    できる限り早く削除要請!

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    まとめ

    一度、ネットに画像を出回ると全てを削除することは困難です。

    ネットに出回っている画像や動画が原因で就職の内定が取り消されたり、結婚などに影響が及ぶケースも少なくありません。

    なので、相手に求められても断ることが一番肝要になってきます。

    そして、もしそれでもネット上に画像が出回った場合は、弁護士や警察に相談をして即座に削除要請を申し立てましょう。

    今回の講義はこれで終わります。

    では、またお会いしましょう!

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