吉本興業がダウンタウン浜田雅功の報道に声明!!診療情報は個人の高度なプライバシー情報なのか

この記事は約7分で読めます。
記事内に広告が含まれています。

みなさん、いかがお過ごしだったでしょうか。

どうも、れきをくん(@rekiwokun)です。

吉本興業がダウンタウン・浜田雅功に関する報道に対し、声明を発表しました。

その声明の中に、「診療情報は個人の最大のプライバシー情報」という文言がありました。

今回は、この診療情報が最大のプライバシー情報になるのかを考えてみたいと思います。

では、今回の講義を始めます。

事件の概要

一部週刊誌で、ダウンタウン・浜田雅功の健康状態を不安視する記事が掲載されたようです。

しかし、吉本興業からの声明では記事にある不安視するような深刻な症状と診断された事実はなく、また予定していた番組収録の欠席や音信不通などもないそうです。

さらに、健康状態にはまったく問題がないそうです。

この事実に反する憶測でしかない事実無根の週刊誌の記事に対して、吉本興業は「一般論として」と前置きをした上で厳しく指摘をしています。

それが「病名や検査を受けた事実などの診療情報は個人の最大のプライバシー情報である」とし、「医療機関が厳格な守秘義務で管理している情報を記事化し、社会に暴露することは個人のプライバシー権に対する重大な権利侵害である」と発表をしています。

その上で、「記事の取材経緯等の詳細を確認して上で、関係者に対しては法的措置を検討していく」と発表しています。

プライバシー権とは

まずは、プライバシー権とはなんでしょうか。

プライバイシー権とは、私生活をみだりに公開されない権利をいいます。

人は平穏に安心して生活するための権利の1つとして、私生活を上の情報を無断で他人に公開されない権利を持っています。

もし、氏名、住所、学校名、家族構成などのプライベートな情報を暴露されたり、無断で撮影されたり、撮影されたもの無許可で勝手に公表されたら強さを越えて、ただの恐怖です。

プライバシー権については、古くから判例が確立しています。

具体的な条文の存在しないプライバシー権の根拠は、憲法13条です。

このあたりの詳しいお話は、また別の機会にしていきたいと思います。

なお、当サイトでは過去にプライバシー権を記事にしたことがあります。

スポンサーリンク

個人情報とは

次は、個人情報についてお伝えします。

(定義)
第二条 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの
二 個人識別符号が含まれるもの

引用:個人情報の保護に関する法律 | e-Gov法令検索

個人情報保護法第2条に具体的な定義が書かれています。

それによれば、生存する個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるもの、または、個人識別符号が含まれるものとされています。

これに対して、プライバシー権は私生活をみだりに公開されない権利です。

個人情報より、より広い情報を包含しているのがプライバシー権といえます。

つまり、プライバシー権の中に個人情報があるという考え方です。

自分情報を保護することができる権利は、プライバシー権から派生する大事な権利です。

個人情報保護法が求める「個人情報」を徹底して適切に取り扱うことで、プライバシー権を含む個人の権利利益の保護が図られるわけです。

診療情報と個人の権利

ここまでプライバシー権と個人情報をみてきました。

そこではこのようにお伝えしました。

プライバシー権は、私生活をみだりに公開されない権利であり、生存する個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるもの、または、個人識別符号が含まれるもの。

プライバシー権は個人情報も包含する幅広い情報を含む個人の大事な権利です。

診療情報は個人情報に該当するだろうか

では、診療情報と考えましょう。

極一般的に、かつ、常識的に考えてみましょう。

診療情報は生存する個人に関する情報であることは当たり前です。

死亡した死人に診療することは不可能ですし、行われるのは司法解剖と検視だけです。

診療情報はプライバシー権に該当するだろうか

さらに、人に知られたくない診療情報もあるかもしれません。

例えば、がんの告知などは知られたくない、妊娠は知られてくないなどもあるかもしれません。

つまり、私生活をみだりに公開されない権利に該当するわけです。

ということは、間違いなくプライバシー権にも該当するわけです。

根拠条文は?

法的に説得力を持たせるためには、必ず条文か判例が必要です。

日本は大陸法ですので、条文第一主義です。

条文がない場合に、判例を探します。

では、診療情報に関する条文はあるのでしょうか。

実はあるのです。

(定義)
第二条 ・・・略・・・・
 一 ・・・略・・・・
 二 ・・・略・・・・
2 ・・・略・・・・
 一 ・・・略・・・・
 二 ・・・略・・・・
3 この法律において「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいう。

引用:個人情報の保護に関する法律 | e-Gov法令検索

個人情報保護法第2条3項に要配慮個人情報が規定されています。

この中に「病歴」とあります。

病歴とは、一般に診療することで得られる情報ですので、診療情報と同視することができます。

さらにこのことは個人情報保護委員会の医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンスでもガイドラインとして発表されています。

医療機関等及び介護関係事業者において想定される要配慮個人情報に該当する情報とは、診療録等の診療記録や介護関係記録に記載された病歴、診療や調剤の過程で、患者の身体状況、病状、治療等について、医療従事者が知り得た診療情報や調剤情報、健康診断の結果及び保健指導の内容、障害(身体障害、知的障害、精神障害等)の事実、犯罪により害を被った事実等が挙げられる。

引用:医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス |個人情報保護委員会

要配慮個人情報の趣旨は、不当な差別や偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものということにあります。

このガイドラインでは、要配慮個人情報の趣旨から考え、診療過程を含む全ての診療情報と、さらには保健指導の内容や障害の事実、犯罪により害を受けた事実も該当するとしています。

つまり、医療・介護の機関の保持する情報は徹底的に個人情報に該当し、保護の対象となるわけです。

スポンサーリンク

診療情報は個人の最大のプライバシー情報

吉本興業の発表した声明には、「診療情報は個人の最大のプライバシー情報」という文言があったことを覚えているでしょうか?

これは本当なのでしょうか?

これも先程、お伝えしたとおりです。

(定義)
第二条 ・・・略・・・・
 一 ・・・略・・・・
 二 ・・・略・・・・
2 ・・・略・・・・
 一 ・・・略・・・・
 二 ・・・略・・・・
3 この法律において「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいう。

引用:個人情報の保護に関する法律 | e-Gov法令検索

個人情報保護法で最も配慮を必要とし、厳格な保護が要請されいるのが要配慮個人情報です。

この中に、「病歴」が含まれており、趣旨から鑑み、医療・介護機関の保持する情報はすべて保護の対象となることから、間違いなく個人の持つ最大のプライバシーです。

したがって、声明は間違えていません。

まとめ

今回の記事では、「診療情報」という1点からのお話でした。

近所での井戸端会議などで他人の家の話をすることが往々にしてよくあります。

こういった話も本当に慎重を要する必要があります。

噂だから平気、近所だけの話だから平気、身内にしか話していないから平気

こういった短絡的な考え方が大きな問題に発展することがあります。

人の個人情報を取り扱うときは気を付けましょう。

今回の講義はこれで終わります。

では、またお会いしましょう!

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました